とある調査で、高齢者が心の安定を維持するためには、何かしらの社会参加をすることが大切だという結果が報告されています。
地域に住む高齢者を対象に、約2年にわたって聞き取り調査をした結果、1ヶ月間に2回以上の社会参加活動をしている人は、全くしていない人に比べて、精神科を受診する回数が約4分の1に抑えられていたことがわかったのだそうです。
このデータから、心の健康寿命を延ばすためには、社会との関わりを持つことが不可欠であることがわかります。
では、何かしらの社会参加とは具体的に何を指すのでしょうか。
まず最もベージックな社会参加といえば、就労です。
企業が定年後に再雇用をしたりシルバー向けの人材派遣会社ができたことで、高齢者の働く機会は増えています。
賃金が発生する責任感に併せて、雇用主と信頼関係を築こうとする意識が出てくることが、精神面に好影響をもたらすようです。
しかし、働く機会が増えたといっても、高齢者が働き続けることは簡単ではありません。
そこでうってつけなのが、町内会や自治会における交流です。
町内会や自治会などのグループ交流は近隣地域の知り合いがいることもあり、安心できます。
ちなみに町内で開かれるお祭りに参加したり、小学校の通学路に立って交通整理をしたりすることも社会参加に含まれます。
働くことだけが社会参加ではありません。
人と積極的に関わりを持つことが社会参加であり、心の安定にとっては大切なのです。
精神的に孤立した高齢者が身近にいる場合、このような事実を伝えていく必要があるでしょう。