うつ病は高齢者にとって身近にある精神疾患の一つです。
うつ病になると、無気力な状態が続いたり、物事を悲観的に捉えるようになったりします。
特に、配偶者と死別したばかりの人や、持病や障がいが悪化している人などは、うつ病の発生リスクが高くなります。

また、介護施設で生活をする高齢者の中には、施設の関係者を除いた社会との接点が少ないことで、日々の中に生きがいを見いだせなくなる人もいらっしゃいます。
介護職員が利用者のうつ病を予防するためには、こうした高齢者のうつ病の背景を理解することが肝心です。
その上で、利用者の状況や様子を見つつ、できる限りのサポートをしましょう。

とはいえ、介護現場の経験が浅い方をはじめとするメンタルの取り扱いに慣れていない方は、うつ病のリスクがある利用者にどう接するべきかわからないと思います。
うつ病のリスクがある利用者に対しては、適切な形で相談に乗り、共感的な態度を示すことが大事です。
その際、心配しすぎて必要以上に近づきすぎないことも重要です。
程よい距離を保ちつつ、上手に気持ちを引き出しながら、相手の相談に乗るようにしましょう。

前述したように、高齢者はうつ病をはじめとするメンタルの不調に悩まされやすい傾向にあります。
精神面の不調は目に見えるものでなく、具合を測ることもできません。
そんなメンタルの構造は複雑で取り扱いが難しく、不調が起こる理由もさまざまです。
そのため、ケアをする際はなるべく自己流ではなく、メンタルケアの基礎的な情報を知った上で動くようにしましょう。

メンタル面のケアに力を入れている介護施設においては、医師や看護師など医療従事者だけでなく、介護職員に対してもうつ病の対応の研修を行っているところがあります。
介護職員としてメンタルケアを含めたケアを習得したいなら、こうした教育体制が整った場所を選ぶことをおすすめします。